「一人で書いていると、自分の思考の範囲を超えられない」経営者コミュニティを運営するRASHISAがnote発信を依頼した理由

「発信したほうがいいのはわかっている。でも、手が回らないし、もっと深い話がしたいのに自分のアウトプットに限界がある」
SNSで情報発信に取り組む経営者の多くが、一度は感じるもどかしさではないでしょうか。
経営者コミュニティ「RASHISAフィロソフィーサロン」を運営する株式会社RASHISAの代表・岡本翔様も、同じ壁に向き合っていた一人でした。
同社は2026年6月から、テキスパートによる定期インタビューをもとにしたnote運用を続けています。岡本様ご自身の歩みや、コミュニティづくりの現在進行形の取り組みを、月2本のペースで発信中です。
依頼を即決した理由、インタビューで考えが言葉になっていく感覚、パーソナルな過去を安心して語れた背景、そして商談の現場での変化について、アナザーパス取締役・今野が伺いました。
「経営者の孤独を減らす」。年間100回以上の交流会を開くコミュニティ

今野:まずは改めて、RASHISAとRASHISAフィロソフィーサロンについて教えてください。
岡本様:RASHISAは、経営者コミュニティを運営している会社です。パーパスとして「人の可能性を出会いと応援で開く」を掲げていて、ミッションは「経営者の孤独を、戦友と親友との出会いで減らす」こと。行動指針は「損得より応援、肩書きより人から本音で向き合う」です。経営者交流会は、年間で100回以上開いています。
今野:どんな経営者に、どんな価値を届けたいと考えていますか。
岡本様:中心にいるのは、成長志向の経営者です。同じ立場の経営者と出会うことで仕事につながることもあれば、他社の取り組みや経験に触れて、自社の知見が深まることもある。そういう出会いをつくるのが、コミュニティの大きな役割だと思っています。
ただの名刺交換の場にはしたくないんです。率直に相談できて、学び合えて、お互いを応援できる。そんな関係を育てていきたいと考えています。
※同社は2017年に創業。学生の就活支援事業や営業代行、資料作成代行事業などを経て2026年から経営者コミュニティ運営事業に注力している。取材時点で会員社数は80社を超えている。
一人の発信では、自分の思考の外に出られなかった

今野:noteを始める前から、XやFacebookでは発信されていましたよね。その頃、何か課題は感じていましたか。
岡本様:まずは工数ですね。継続して投稿しようとすると、どうしても手間がかかります。
元々noteの記事も自分で書いていたのですが、2-3ヶ月に1本書くのが限界で、更新が不定期になってしまっていました。
もうひとつ大きかったのは、一人で考えている限り、自分の思考の範囲内でしかアウトプットできないということです。誰かと話していると、考えが整理されたり、本当に伝えたかった言葉が見つかったりするじゃないですか。量の問題だけではなく、内容の深さや言語化の質という面でも、一人でやることには限界を感じていました。
「可視化してほしい」という声に、確信は持てていなかった
今野:今回の取り組みは、私も参加させていただいた岡本さん主催の交流会がきっかけでした。参加者の方から「言ってしまえば”無名”の岡本さんがこれからどうやってコミュニティを大きくしていくのか、可視化してほしい」という声が上がりましたよね。あのとき、どう感じましたか。
岡本様:ゼロからコミュニティをつくって、それを大きくしていく過程に関心を持つ人がいる、ということ自体は理解していました。
ただ、最初から強く発信したいと思っていたわけではないんです。自分たちの経験や事業の話に、本当にニーズがあるのか。そこには確信を持てていませんでした。
『プロセスエコノミー』という言葉は元々知っていましたし、私の生い立ちや人となり、価値観を伝える意義は感じていました。でも、コミュニティ運営のノウハウや自分の経験が、外の人にとって価値のあるコンテンツになるのかは、正直わからなかったですね。
翌日に依頼を決めた理由は、「何を」よりも「誰と」

今野:参加者の方の「コミュニティがどう大きくなっていくのか見たい」という声を聞いて、私が「岡本さん、それnoteで発信しましょう!」と提案させていただきましたね。それに対し、翌日にはご依頼を決めてくださいました。決め手は何だったのでしょうか。
岡本様:もちろん、会社のキャッシュフローやメンバーの意見も考える必要はありました。そのうえで、自分たちが実現したい発信を、納得できる価格で支援してもらえると感じたのが大きいです。
中長期で見れば、採用やリード獲得、商談のときの理解促進などを通じて、費用は回収できるとも考えていました。
今野:私とは、その時点で1年近く、いろいろな場でご一緒していました。RASHISAフィロソフィーサロンにも入らせていただいています。そうした関係は、判断に影響しましたか。
岡本様:大きかったですね。今野さんがどんな人柄なのか、これまでどう関わってきたのかを知っていたことは、依頼を決める判断の大きな要素でした。だからご提案を受けてから他社比較はしていませんし、ご一緒いただければnoteでの発信を継続的に行っていけると確信しました。
単発の取材では残らない「現在進行形」を、定点観測で記録する
今野:実際にインタビューを受けてみて、いかがでしたか。これまでもさまざまな取材を受けてこられたと思いますが、違いは感じましたか。
岡本様:定期的に、定点観測のような形でヒアリングしてもらえることに、すごく意義を感じています。
単発のインタビューだと、どうしても過去の経歴か、将来のビジョンに焦点が当たりがちです。今まさに取り組んでいることは、なかなか取り上げられません。
事業は常に変わっていくし、自分の考えも固定されたものではありません。今考えていること、やっていること、悩みながら改善していること。それを継続的に記録して記事にしていけるのは、価値があると思っています。
今野:第三者からのインタビューを通じて、自分でも気づいていなかった考えに気づいていただく。そんな体験を届けたいと思っていました。そうした感触はありましたか。
岡本様:そうですね。インタビューを通じて日々のアイデアを発散したり、考えを言葉にしたりする良い機会になっていると感じます。
「なぜ起業したのか」「経営者コミュニティを通じて何を実現したいのか」「そもそも自分はなぜ働くのか」といった、自分の根っこから向き合わなければいけないテーマについて、改めて考える時間を持てた、というのは自分にとってとても大きいことでした。
過去を語れたのは、「答えなくていい」と言ってもらえたから

今野:ご家庭環境のことなど、かなりパーソナルな部分にも踏み込んだ質問をさせていただきました。安心して話せたという実感はありましたか。
岡本様:ありました。事前に質問の方向性を共有してもらっていて、「答えにくいことは答えなくていい」と言ってもらえていた。そこに配慮を感じました。
過去のことを話すこと自体が、絶対に無理というわけではないんです。ただ以前、自分の背景をインターネット上で公開したときに、家族に望ましくない形で情報が伝わってしまったことがありました。
だから、過去を語ってこなかったのは、消化しきれていないからというより、情報がどう届いて、誰に共有されるのかに慎重だったからなんです。でも、今野さんは核心に触れる質問をしながらも、登場する人物が誰も傷つかず、かつ分かりやすい文章としてアウトプットしてくださったので、改めて信頼できる方だと思いました。
商談相手の4〜5人に1人が「noteを見ました」

今野:noteでの発信を続けてきて、事業にとって成果だと感じる部分はありますか。記事の活用方法もあわせて伺いたいです。
岡本様:初回の商談前に相手がnoteを読んでくださっていたり、「noteを見ました」と言われたりする機会は、少しずつ出てきています。私が一人でnoteを書いていた時はこうした反応はなかったので、大きな成果と感じています。私は初回商談の前後にnoteの記事をお送りしていて、会社や私の考え方を事前に知っていただける状態をつくっています。読んだことを伝えてくださる方は、体感で4〜5人に1人ですね。
今野:短期的な受注だけで評価されているわけではない、ということですね。
岡本様:コンテンツ発信は、即効性だけを求める施策ではないと思っています。数字がすぐに見えなくても、日々の取り組みや事業のプロセスを可視化していくこと自体に価値がある。
記事を通じて私やコミュニティの背景を知っていただければ、商談での理解も深まるし、受注率の向上にもつながるはずです。「これですぐ受注を取る」ではなく、中長期でファンをつくり、信頼を積み重ねていく。その視点が大事だと考えています。
ただ、今後もこのnote発信は続けていき、note経由での商談が発生したら嬉しいですね。
一度の説明では伝わりにくい事業にこそ、向いている
今野:こうしたインタビュー型の発信は、どんな経営者・事業者に合うと思われますか。
岡本様:一度の説明だけでは価値が伝わりにくいサービスを提供している事業者とは、相性が良いと思います。
たとえば、BtoCのスクール事業や恋愛コーチングのように、背景や思想を伝えないと誤解されやすい事業。補助金の活用支援や企業型年金のように、内容が複雑なサービス。コンサルティングのように、図や事例、運営者の考え方を通じて初めて価値が伝わるものにも向いていると思います。
大事なのは、すぐにリードを取ることだけを目的にしないこと。中長期でファンを増やしたり、商談や受注の確度を高めたりすることに価値を置けるかどうかだと思います。
日本で一番、経営者同士が応援し合う場へ

今野:最後に、岡本さんとRASHISAがこれから目指していきたいことを教えてください。
岡本様:直近では、経営者コミュニティをさらに大きくして、「日本で最も経営者が多く、経営者同士が応援し合う場」をつくりたいと考えています。
数字でいえば、2027年度までに500社、2028年度までに1,000社が目標です。昨年12月末時点では8〜9社だった会員が、いまは80社台まで増えてきました。商談数と受注率を高めていけば、十分に実現できると考えています。
今野:その過程も、引き続きnoteで記録していけたらと思っています。ありがとうございました。
一人では出てこない言葉を、対話で引き出す。経営者の「今」を記録し続ける発信
自分の考えは、一人で向き合っているだけでは言葉になりきらない。年間100回以上の交流会で経営者同士の出会いをつくってきた岡本様が、自身の発信に選んだのも、やはり「対話」でした。
テキスパートは、取材・インタビュー記事の制作に特化したサービスです。伝えたい想いはあるのに言葉にできない、発信を続けたいのに手が回らない。そうお感じの方は、お気軽にご相談ください。
