採用インタビュー記事は、応募者が具体的に「この会社で働くイメージ」を持てるような情報を提供するための重要なコンテンツです。また、製品やサービスの導入事例インタビューとは異なり、インタビュイー(取材対象者)のパーソナルな部分に踏み込んだ質問を行うという特徴もあります。
本記事では、採用インタビューにおいて、必ず聞いておきたい「マストな質問」と、聞けたら非常に記事の面白さが増す「トリッキーな質問」をそれぞれ紹介します。採用コンテンツの充実化を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
まず、採用インタビューにおいて必ず質問すべきマストの質問から紹介します。
インタビュイーのバックグラウンドを知るうえで、学んでいた分野や興味のある領域を改めて確認する質問です。
応募を検討している求職者の中に、同様のバックグラウンドを持つ人がいたら、
「自分が学んできたことがこの会社なら活かせるかもしれない。」
と、応募を決めるきっかけになることが期待できます。
学んできたことがどう現在のキャリアにいかせているのかまで踏み込めると、求職者はより具体的なイメージを持って応募を検討できます。
所謂”ガクチカ”と呼ばれるものです。
インタビュイーの学生時代に力を入れたことについて深堀りすることで、特に就活をしている学生が自社の従業員に対して親近感を持ち、会社のファン担ってくれる可能性が高まります。
インタビュイーが学生の頃、あるいは転職活動を行う際、何を軸に就活をしていたかを振り返ります。
自社の従業員の仕事感やキャリアに求めるものを可視化することで、会社のビジョンや方向性に共感できる人材からの応募を集めやすくなるからです。
多くの企業がある中で、なぜ自社を選んだのかを尋ねます。企業のどの点に魅力を感じたのかを現役で働く従業員の口から語ってもらうと、読者(求職者)にも「自分に合うかも」という気づきを与えられます。
「自社に応募した理由」に加えて「入社先に最終的に決めた決め手」を聞くと、さらに踏み込んだリアルな声を得られます。内定が複数出ていた場合の決定打などを聞くと、他社との差別化ポイントとして使いやすい情報が得られるでしょう。
現時点で実際に取り組んでいる業務の魅力や、働いていて楽しい・モチベーションが上がる瞬間などを語ってもらいましょう。「どういう瞬間に達成感を得られるのか」を具体的に教えてもらうと、読者が入社後の働く姿をより鮮明にイメージできるようになります。
やりがいと似ていますが、より感情面にフォーカスした質問です。「現場でしか体験できない楽しさ」や「この会社ならではの嬉しい出来事」など、ポジティブなエピソードを共有してもらうと企業イメージを高める材料になります。
インタビュイー本人の主観で「こんなタイプの人ならこの会社や仕事と相性がいい」という視点を語ってもらう質問です。読者に「自分はこの会社に馴染めるだろうか」を判断してもらうための材料を提供します。
現在の仕事やキャリアに対して、今後どのように成長していきたいか、どんな目標を持っているかを尋ねます。会社として将来的にどう関わっていくのかも言及できれば、読者に「この会社で長く活躍できそう」と感じてもらいやすくなるでしょう。
「入社を検討している学生や中途採用希望者に対して、一言メッセージをお願いします」という問いかけは、応募への後押しになります。本人の実体験に基づいた具体的なアドバイスや、やる気を引き出すコメントが期待できます。
プライベートの充実度やワークライフバランスを知るうえで、休みの日の過ごし方は重要なヒントになります。趣味との両立やリフレッシュ方法など、パーソナルな部分をうかがい知ることができ、求職者の「働き方イメージ」を補強できます。
趣味の質問は、単純にパーソナリティを深掘りできるうえ、社内のカルチャーとの相性を図る材料にもなります。
次に、質問できるとより求職者を惹きつけられる質問を紹介します。
記事に載せることがリスクにもなりうる質問も含んでいますが、自社の”リアル”を伝え、求職者とのミスマッチを防ぐうえでは欠かせない質問ばかりです。
一見ネガティブに思える問いかけですが、「求める人材像」を裏から浮き彫りにするには非常に有効な質問です。あえて「向いていないタイプ」を語ってもらうことで、会社の価値観やカルチャーをよりはっきり伝えられます。
入社後のミスマッチを防ぐうえでは最も有効な質問と言えるでしょう。
仕事の中で経験した挫折や困難を、包み隠すことなく、できるだけ生々しく語ってもらいます。
「本当に大変な仕事だけれど、やりがいを感じるし成長できそう。」
と感じる求職者を惹きつけるとともに、
「ワークライフバランスを重視する私には向いていないかもしれない。応募はやめておこう。」
といった形で、自社のカルチャーに合わない人を遠ざける効果も発揮します。
従業員にも仕事への強烈なコミットを求める急成長中の企業は、この質問も用いることで入社後のミスマッチを防げます。
「マスト編」で挙げた質問は、採用インタビューにおいては定番かつ外せない内容ばかりです。そこに「トリッキー編」の質問をうまく織り交ぜることで、応募者が本当に知りたいリアルな話や、企業のユニークな魅力をより際立たせることができるでしょう。
トリッキー編で取り上げた質問は、より会社の姿をリアルに伝えることで、自社のカルチャーにマッチする人を惹きつける一方、反対にマッチしない人からの応募を遠ざけます。
まずは自社の採用方針を明確にし、求める人材像を定義したうえで、インタビュー記事で使う質問を選定しましょう。