採用市場が激化する中で、応募者の目に留まる企業になるためには、“企業のリアルな姿”を魅力的に発信していくことが欠かせません。
近年は、会社のHPやSNS、求人サイトなどで「社員インタビュー記事」を公開する企業が増えており、求職者が職場の雰囲気や社員の想いを掴みやすくなっています。
しかし、上記のようなトレンドから、自社でも社員インタビュー記事を作って応募者を増やしたいと思ったとしても
「本当に効果があるのかわからない」
「そもそもどうやって作ればいいのかわからない?」
「インタビューする社員は空いている人を適当に選んで15分くらい話せばいいの?」
など、様々な疑問を解消できず、制作に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、社員インタビューを作ることによって期待できるメリット、具体的な作り方を紹介します。
SNSを用いた発信やオフラインの説明会など、採用活動を目的としたコンテンツやアクティビティは多数あります。
まずは、その中でも社員インタビュー記事を取り入れるメリットから紹介していきます。
社員インタビュー最大の魅力は、企業の公式情報や求人票だけでは伝わりづらい「職場のリアル」を求職者へ届けられることです。
たとえば、「実際の業務内容」「社員同士のコミュニケーション」「仕事に対するやりがいや苦労」など、当事者でなければ語れないエピソードを記事にして紹介します。
すると、この”疑似入社体験”を通じて、求職者はその会社で働く姿をより具体的にイメージできるのです。
採用において、入社する人数を増やすことと同じか、それ以上に重要なのが離職率を下げることです。多大なコストと時間をかけた採用活動を通じて、せっかく多くの社員が入社してくれても、その後すぐに退職されてしまっては本末転倒です。
離職の主な原因の一つに、入社前後のギャップがあります。入社前に描いていた働き方や業務内容と、入社後の実際のそれがあまりに異なっているために早期離職を決意してしまうのです。
アデコグループの調査では、「自身の希望と業務内容のミスマッチ」(37.9%)が早期離職の主な理由の一つとして挙げられています。
参考:アデコグループ「新卒入社3年以内離職の理由に関する調査」
https://www.adeccogroup.jp/power-of-work/061
そうしたギャップ、ミスマッチを防ぐうえでも社員インタビュー記事が役立ちます。
社員の声を通じて、“いい面”だけではなく“リアルな課題や大変な部分”も発信することで、求職者は入社前からその企業に対して正しい印象を持ちます。入社後の悪い意味での”ギャップ”に直面することがなくなり、結果的に高い定着率が期待できるのです。
社員インタビュー記事は、会社のホームページや採用サイトではなかなか醸し出せない良い意味での「非公式感」が読者に親近感を抱かせ、会社に対して興味を持つきっかけづくりをしてくれます。
記事に載っている社員の考えやキャリア観などに共感が集まれば、その記事がSNSでシェアされる確率も高まり、さらなる認知拡大が期待できます。
求職者が企業を選ぶ際、「社風が自分に合いそうか」「成長環境が整っているか」「働く仲間に魅力を感じるか」といった点を重視するケースが増えています。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズが2024年卒の大学生を対象に行った調査によると、内定承諾の最終的な理由として、「自分のやりたい仕事(職種)ができる」が15.1%で最多となり、次いで「社員や社風が魅力的である」が9.2%となっています。
参考:リクルートマネジメントソリューションズ「「2024年新卒採用 大学生の就職活動に関する調査」の結果を発表」
https://www.recruit-ms.co.jp/news/pressrelease/0000000421/
社員インタビューを通じて、企業の価値観やカルチャー、社員が大切にしている働き方を発信することで、他社との違いを明確に示すことができます。
また、社員が自社の魅力を自然に語る姿を見ると、外部からは「社員が誇りを持って働いている会社」というポジティブなイメージが伝わりやすくなり、企業のブランド力向上にも寄与します。
インタビューを受ける社員自身も、自分の仕事を振り返る良い機会になります。普段意識していなかった自身や会社の強みややりがいを言語化することがモチベーションアップにつながったり、自社に対する誇りが強化されたりします。
さらに、公開された自身のインタビュー記事が社内で共有されれば、部署間の理解が深まったり、他の社員も自分が働く会社の良さを再認識できるでしょう。
社員インタビュー記事は、ただ“質問に答えてもらう”だけでは十分な効果が得られません。
求職者が読んで興味を持ち、応募や入社後の活躍へつなげるためには、「どのように作るか」がポイントになります。
まずは、社員インタビュー記事を作る目的とターゲットをはっきりさせましょう。
目的とターゲットが定まると、インタビュー記事の内容や質問の方向性も決めやすくなります。
ターゲットに近い属性や役割を持つ社員を選定することが効果的です。例えば、新卒向けなら若手社員や入社3年以内の社員、中途採用向けなら未経験転職やキャリア転職を経験した社員をインタビュー対象にすると、求職者は「自分もこうなれるかも」とイメージしやすくなります。
また、インタビュイー(取材対象者)自身が何らかの強みや成功体験、苦労話を持っていると、内容に深みが生まれ読み応えのある記事となります。
インタビューのクオリティは、事前準備の質によって大きく左右されます。
記事のテーマやターゲットを踏まえつつ、あらかじめ質問項目を整理しておきましょう。
構成としては
「プロフィール紹介 → 入社前後のギャップ → 現在の業務内容・やりがい → 今後の目標 → 読者へのメッセージ」
などの流れにすると、読みやすく求職者にとって必要な情報を整理しやすくなります。
テキストだけでは伝わりづらい雰囲気を、写真や動画、イラストなどを使って補完するのも効果的です。社員の表情、職場の風景、仕事風景などを一緒に載せると、読者が記事の内容をイメージしやすくなります。
ビジュアル情報があると、読了率が上がりやすく、SNSでシェアされる確率も高くなります。
社員インタビュー記事は、あまりにも長すぎると最後まで読まれにくくなります。一方で、短すぎると企業の魅力がうまく伝わりません。インタビュー内容を整理し、適宜見出しや段落を入れつつ、読みやすい構成を心がけましょう。
社員インタビュー記事は、次のような場所に掲載し、多くの人の目に触れるようにしましょう。
公開した後も、社内や取引先、学生向けのイベントで紹介したり、求人の説明会資料にリンクを挿入するなど、幅広く活用するとより効果的です。
社員インタビュー記事は、求人票や会社説明では伝えきれない「生の声」を提供することで、企業と求職者の“出会いの質”を高める非常に有効な手段です。応募者数の増加だけでなく、入社後の定着率アップや、社内外に対する企業ブランドの向上など、さまざまなメリットが期待できます。
ポイントは、「誰に何を伝えたいのか」を明確にしながら、インタビューする社員を選定し、記事の構成を工夫すること。そして、読者が社員や企業文化に共感してくれるよう、写真や動画などを使って“リアル”を演出することです。
現場の社員が自社について熱く語る様子ほど、読み手の心を動かす材料はありません。インタビュー記事を戦略的に活用し、企業の魅力を最大限アピールして、採用活動を加速させましょう。