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導入事例を制作するメリットとは?作り方も解説

導入事例(お客様の声)は、企業や個人が自社の製品・サービスを導入して得られた具体的な成果や効果を、インタビューやデータを通じて紹介するコンテンツです。

近年、多くの企業がマーケティング戦略の一環として導入事例を制作しており、BtoB・BtoCを問わずその効果が注目されています。

本記事では「導入事例を制作するメリット」と「導入事例の作り方」を中心に、導入事例・お客様の声について網羅的に解説します。

そもそも導入事例とは?

クライアントと担当者が成功を喜び合っているビジネスシーン

導入事例(お客様の声)は、ある製品やサービスを実際に利用している顧客に取材を行い、導入背景・活用方法・導入後の成果などをまとめたコンテンツのことを指します。

企業の公式サイトやホワイトペーパー、SNSなど、多様な媒体で公開されるケースが一般的です。

【導入事例(お客様の声)の主な内容】

  • 導入背景:顧客が抱えていた課題・問題点
  • 活用方法:製品やサービスをどのように利用したのか
  • 成果:具体的な数値データや定性的な効果(コスト削減、売上向上、業務効率化など)

なぜいま導入事例が注目されるのか

情報があふれる時代だからこそ、第三者(実際の利用者)の声が高い信頼性を持ちます。企業が自社のメリットを謳うだけでは、どうしても「宣伝」感が強くなりがちですが、実際の利用者による成功体験は説得力と共感を呼びやすいのです。

特にBtoB領域では、大きな投資判断を伴う場合が多いため、導入事例を参考にする購買担当者も増えています。

導入事例を制作するメリット

次に、導入事例を作ることによる具体的なメリットを紹介していきます。

1. 信頼性・説得力の向上

導入事例は顧客のリアルな声を取り入れたコンテンツです。一般的な広告宣伝と違い、第三者視点による評価や成果が示されることで、高い信頼性と説得力を生み出します。

導入後にどのような効果が得られたか、具体的な数値を提示することで、見込み顧客はより具体的なイメージを持って導入を検討できます。

うちと同じ業界の会社で同様の成功事例がある」ことがわかれば、導入にあたって必要な上司の説得や、社内稟議なども容易になるでしょう。

2. ブランディングへの貢献

導入事例が豊富な企業は

「多くの企業に信頼され成果を上げている」

という強い印象を与え、企業ブランドの向上にも寄与します。 

その中に有名企業や公的機関、海外企業との事例があると、それが製品・サービスに対してさらなる権威性を付与します。

3. マーケティング・営業活動の効率化

導入事例はウェブサイト上だけでなく、営業資料や展示会、セミナーなど多様な場面で再利用できます。 

一度作ってしまえば様々なコンテンツの再利用できる汎用性の高さが魅力と言えます。

たとえば、導入事例記事の内容を細分化してX(旧Twitter)で投稿する、営業資料に掲載することで商談での提案材料の一つにする、といった活用が可能です。

4. 社内外のモチベーション向上

導入事例は社外への発信だけでなく、社内の士気向上にも役立ちます。

自社の顧客に提供した”価値”を可視化することで、現場で働く社員の士気の向上が期待できます。

同時に、取材・インタビューの過程で自社製品・サービスに対する改善要望もヒアリングすることで、サービスの質向上の材料が手に入るという副次的なメリットもあります。

導入事例の作り方

マーケティングチームが企画・執筆・レビューのプロセスを進めている様子

ここまでは、導入事例(お客様の声)を作るメリットや具体的な効果について解説してきました。

次に、導入事例の作り方を幾つかのステップに分けて解説します。

1. 目的とターゲットを明確にする

最初に考えるべきは、「どのような見込み顧客に」「何を伝えたいか」という点です。

BtoBの場合は、業種・導入規模などを想定し、同じような課題を抱える企業が参考になるように構成すると効果的です。

【考えるポイント】

  • どの製品・サービスの事例か
  • 読者はどの業界や職種か
  • 最終的にどんな行動を促したいか(問い合わせ、資料請求など)

2. 取材先(顧客)の選定

次に、導入事例として紹介(記事に載せる)する顧客を選定します。

選定のポイントは

「導入によって効果を実感している企業か」と「業種・業界のバリエーション」です。

【選定ポイント】

  • 代表的な成功パターンを作るなら「大きな成果」を出した顧客がよい
  • 業種や導入スケールなど、複数パターンを作成すれば多面的な訴求が可能 
  • 取材・公開の許諾を得られる相手かどうかを事前に確認 

3. 事前準備(取材・質問リストの作成)

取材当日にどのような情報を引き出したいかを整理し、質問リストを作成しておきます。

【質問リストの方向性】

  • 導入前の状況・課題 – 導入の経緯(何をきっかけに製品を知ったか) 
  • 実際の活用方法・工夫した点 – 成果(定量的・定性的)
  • 製品・サービスに対する改善要望の有無
  • 今後の展望

4. インタビューと録音・撮影

取材がスムーズに進むよう、事前に取材相手とアジェンダを共有し、録音・撮影の許諾を得ておきましょう。 

【その他意識すべきポイント】

  • オンライン取材でも構わないが、可能であれば対面取材のほうが盛り上がりやすい
  • 音声録音に加え、写真撮影(顔写真・製品利用シーンなど)も行うとコンテンツとしての魅力が高まる

5. 記事制作・編集

取材で得た情報を分かりやすく整理し、ゴールを見据えた記事構成を作ります。

導入事例記事の典型的な構成は以下の通りです。

  • 1.導入企業の概要(会社名・事業内容)
  • 2.導入前の課題(背景や問題点)
  • 3.導入の決め手(数ある製品の中から選んだ理由)
  • 4.活用方法(具体的な使い方や工夫)
  • 5.導入後の成果(定量的データや改善ポイント)
  • 6.今後の展望(さらなる拡張や新たな使い方など)

このとき、数字の根拠(売上が何%上昇した、工数が何時間削減できたなど)や、担当者の印象的なコメントを織り交ぜると説得力が増します。

6. 校正・承諾・公開

出来上がった原稿は、社内チェックだけでなく、取材先(顧客)の確認も必ず受けます。記載内容や引用表現に誤りがないか、公開範囲や使用写真などの了承を得た上で、自社サイトやSNSで公開しましょう。

  • 原稿の二重チェック(誤字脱字・数値の正確性)
  • 写真やロゴ、デザインの最終確認
  • 公開タイミングと告知方法の計画(メルマガ、プレスリリースなど)

7. 効果測定・フィードバック

導入事例は制作して公開して終わりではなく、その後の効果測定も重要です。

  • アクセス解析(ページビュー、滞在時間、直帰率など)
  • 問い合わせ数・資料請求数の増減 – 営業現場での活用状況(商談時の反応、成約率など)

これらのデータをもとに、次の導入事例制作や運用戦略に活かしていきましょう。

導入事例は製品・サービスの質を証明する必須コンテンツ

画面を写しながら堂々とプレゼンをしている様子

導入事例(お客様の声)は、企業の製品やサービスが実際にどのような効果を発揮しているかを示す、非常に説得力のあるコンテンツです。顧客のリアルな声を取り入れ、成功のポイントや具体的な数値データを提示することで、見込み顧客の購買意思決定を強力にサポートできます。 制作には取材先の選定やインタビュー、原稿化・承認といった工程が必要ですが、その労力に見合う大きなリターンをもたらしてくれるでしょう。

BtoB・BtoC問わず、まだ導入事例を活用できていない企業の担当者は、ぜひ本記事を参考に制作を検討してみてください。

会社の信頼度向上や新規リード獲得、社員のモチベーションアップなど、想像以上の成果を期待できます。