インタビュー記事から「会社らしさ」を伝える方法|採用広報で差がつくコツ

採用サイトに載せる社員インタビュー。
書き上がった記事を読み返してみると、「風通しがいい」「挑戦できる環境」
——どこかで見たような言葉ばかりが並んでいる。
こんな経験はないでしょうか。
応募者が本当に知りたいのは、その会社の「企業文化」や「働く人の雰囲気」です。
給与や制度ももちろん大事です。
しかしそれと同時に、
「どんな人が働いているか」
「どういう価値観で動いているか」
を見て応募を決めるケースも少なくありません。
だからこそ、その会社ならではの「会社らしさ」を伝えられるかどうかが、採用力やブランド力に直結します。
この記事では、採用インタビューで「会社らしさ」がうまく伝わらない典型的なNG例と、それを乗り越えて自社の魅力をリアルに届けるためのポイントを解説します。

・取材記事制作を作るうえでの不安が払拭された
・この資料で外注に反対の上司を説得できた
なぜ「会社らしさ」が採用で重要なのか
採用において、応募者が最終的に見ているのは「自分がこの会社に合うかどうか」です。
条件面(給与や勤務地)はもちろん大切ですが、それだけで入社を決める人は多くありません。
「どんな人たちと働くのか」「この会社はどんな価値観を大事にしているのか」——こうした「会社らしさ」に共感できるかどうかが、応募の決め手になることが多いのです。
これは、調査データにもあらわれています。
東京商工会議所が2025年度の新入社員857人を対象に行った意識調査によると、就職先を決める際に重視したこと(複数回答)として「社風、職場の雰囲気」が58.8%で最も高く、「処遇面(初任給・賃金・賞与など)」の52.7%を上回りました。
(出典:東京商工会議所「2025年度新入社員意識調査」/労働政策研究・研修機構による紹介記事)
そして、会社らしさが伝わる採用広報には、もう一つ大きなメリットがあります。それは「ミスマッチの防止」です。
会社の価値観や雰囲気が正しく伝わっていれば、それに共感した人が応募してくるため、入社後の「思っていたのと違った」というギャップが起こりにくくなります。
会社らしさを伝えることは、単に魅力をアピールするだけでなく、自社に本当に合う人材と出会うための鍵でもあるのです。
しかし、その”らしさ″の伝え方にも良し悪しがあります。
ここからは、会社の魅力をホームページやSNS上で訴求するうえでのNG表現を紹介します。
NG例(1)抽象的な表現ばかりになっている
会社らしさが伝わらない最大の原因が、抽象的な表現の多用です。
「風通しがいい」「挑戦できる環境」「アットホームな職場」
——これらは、どの会社の採用ページにもありそうな言葉です。
読者である応募者からすれば、「で、具体的にはどういうこと?」という疑問が残るだけで、その会社ならではの魅力はまったく伝わりません。
抽象的な言葉は、書いている側は「いいことを言っている」つもりでも、読み手には何の情報も与えていないことが多いのです。
会社らしさは、こうした便利な言葉に頼っている限り、決して伝わりません。
NG例(2)制度の説明に終始している
2つ目のNG例は、制度の紹介ばかりになってしまうパターンです。
「フレックスタイム制度があります」「リモートワーク可能です」——制度の説明は、事実として有益ではあります。しかし、制度だけを並べても、そこに「人の姿」が見えてきません。
応募者が知りたいのは、制度そのものよりも「その制度を使って、社員が実際にどんな働き方をしているか」です。
制度の説明だけで終わると、無機質な条件の羅列になり、会社で働く人たちの温度感が伝わらないのです。
NG例(3)ポジティブなことしか語られていない
3つ目のNG例は、良いことばかりが書かれているパターンです。
一見、良いことだけを並べれば魅力的に見えそうですが、実際には逆効果になることがあります。
あまりに美化された内容は、読み手に「本当かな?」という不信感を与えてしまうのです。
むしろ、「いいことばかり」よりも「大変さとやりがいの両方」が語られているほうが、リアリティが生まれます。
人は完璧すぎる話より、光と影の両方がある話に信頼を寄せるものです。
苦労や課題も含めて誠実に語られている記事のほうが、結果的に応募者の信頼を勝ち取ります。
それでは次に、会社の”らしさ”を発信していくために意識すべきポイントを紹介します。
会社らしさを伝えるポイント(1)エピソードを聞き出す
「ある日の仕事の流れ」「具体的な成功体験や失敗体験」——こうした実際のストーリーには、その会社の文化が自然と映し出されます。
たとえば「失敗したとき、上司がどう対応したか」というエピソード一つで、「風通しがいい」という抽象語よりもはるかにリアルに、その会社の人間関係が伝わります。
会社らしさは、説明するものではなく、エピソードからにじみ出るものです。
会社らしさを伝えるポイント(2)人物のキャラクターを活かす
2つ目は、語り手である社員のキャラクターを、そのまま活かすことです。
インタビューの中で出てきた口癖や、笑いながら話した場面、その人らしい独特の言い回し——こうした要素を、整えすぎずにそのまま記事に残すことが大切です。
一人ひとりの社員のキャラクターは、そのまま会社の雰囲気につながります。
個性的な社員が生き生きと語っている記事を読めば、応募者は「こういう人たちと働くのか」というイメージを具体的に持てます。文章をきれいに整えることを優先して、その人らしさを消してしまわないよう注意しましょう。
会社らしさを伝えるポイント(3)「課題や苦労」もあえて出す
NG例の3つ目で触れたとおり、ポジティブなことばかりの記事は信頼されません。逆に、「最初は苦労したが、仲間に助けられて乗り越えた」といったエピソードは、リアリティを生むと同時に、その会社ならではの価値観を伝えます。
苦労の「乗り越え方」にこそ、その会社の文化が表れるのです。困ったときにどう助け合うのか、失敗をどう受け止めるのか——こうした部分が描かれることで、応募者は「この会社の価値観は自分に合っている」と判断できるようになります。課題を隠さず、それにどう向き合ったかまで描く。これが、信頼される採用インタビューの条件です。
会社らしさは「具体」からしか生まれない
会社らしさを伝えるためのポイントを整理します。
避けるべきNG例
- 「風通しがいい」などの抽象的な表現ばかり
- 制度の説明に終始し、人の姿が見えない
- ポジティブなことしか語られず、かえって不信感を与える
会社らしさを伝えるポイント
- 具体的なエピソードを聞き出す
- 社員一人ひとりのキャラクターをそのまま活かす
- 課題や苦労も含め、その乗り越え方まで描く
すべてに共通するのは、「抽象」ではなく「具体」で伝えるということです。
会社らしさは、便利な形容詞では決して伝わりません。
具体的なエピソード、その人らしい言葉、そして苦労を乗り越えた実話——こうした「具体」の積み重ねの中からしか、応募者の心に届く「会社らしさ」は生まれないのです。

・取材記事制作を作るうえでの不安が払拭された
・この資料で外注に反対の上司を説得できた
